なぜ今も人気?シチズン チャレンジタイマー「ツノクロノ」を買取!Cal.8110Aの機構と海外人気、復刻モデルまで解説【いちふじ新城】
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シチズン チャレンジタイマー 4-901134K
を高価買取しました!
Vintage Watch Journal
なぜ今も人気?シチズン チャレンジタイマー「ツノクロノ」を買取!Cal.8110Aの機構と海外人気、復刻モデルまで解説
買取専門いちふじ ピアゴ新城店
こんにちは。買取専門いちふじ ピアゴ新城店です。
結論からお伝えしますね。動かない古い時計でも、その正体がわかると、意外な魅力が見えてくることがあります。
理由はシンプルです。今回お買取りしたシチズンの「ツノクロノ」は、見た目こそ40年以上前のバッグ、いえ時計ですが、内部にはかなり本格的な機械式クロノグラフの仕組みが詰まっています。しかもこのデザイン、シチズンは今も現行モデルとして復刻を続けているんです。
今回は、クロノグラフ不良・巻き上げ不良・内部異音など、状態にいくつか課題がある個体でした。でも、「壊れているから価値がない」とは限りません。この記事では、なぜそう言えるのかを、時計にくわしくない方にもわかるように、ひとつずつ噛み砕いてご紹介します。
「うちにある古い時計、これって何だろう?」そんな気持ちで読んでいただけたらうれしいです。
この記事でわかること
- 「ツノクロノ」と呼ばれる理由と、正式なモデル名
- 心臓部「Cal.8110A」の仕組み(フライバック・コラムホイールなど)
- 現行モデルとして今も復刻が続いている理由
- 海外でも知られている、という話の正しい伝え方
- 壊れていても査定できる理由と、確認しているポイント
Chapter 01
シチズン「ツノクロノ」をお買取りしました
まずは、今回お買取りした時計そのものをご紹介します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド | CITIZEN(シチズン) |
| モデル系統 | Challenge Timer(チャレンジタイマー)/通称「ツノクロノ」 |
| ケース番号 | 4-901134K |
| ムーブメント | Cal.8110A(自動巻き・手巻き可能) |
| 機能 | クロノグラフ(フライバック)・30分計・12時間計・曜日日付 |
| 振動数 | 28,800振動/時 |
| 石数 | 23石 |
| ケース・ブレスレット | ステンレス(SS) |
| 文字盤 | シルバー系 |
そして、今回の状態は次のとおりです。ここは正直にお伝えしますね。
- クロノグラフが正常に作動しない
- 巻き上げが不良
- 内部から異音がある
- 文字盤に剥げがある
- カレンダー表示に劣化がある
- 針に社外品での補修跡がある
- ブレスレットのコマ(長さ調整用のパーツ)があまり残っていない
正直、決して「状態のいい個体」ではありません。それでも、この記事を書く価値がある。そう思える理由を、これからご説明していきますね。
Chapter 02
「ツノクロノ」とは?名前に隠された理由
「ツノクロノ」という愛称、初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。まずはこの名前の意味からご紹介します。
プッシュボタンが、牛の角のように見える
この時計は、クロノグラフを操作するプッシュボタンが、ケースの上部左右に飛び出すように配置されています。その姿が、牛の角のように見えることから、日本では「ツノクロノ」、海外では「Bullhead(ブルヘッド、牛の頭の意味)」と呼ばれるようになりました。
ただ、ここは少し注意が必要です。「Bullhead」という呼び方は、シチズンが正式に名付けた商品名ではありません。当時の資料では「Challenge Timer(チャレンジタイマー)」という名称が使われており、Bullheadやツノクロノは、後年、時計好きのあいだで一般的になった呼び方と考えるのが正確です。
「Challenge Timer」という名前も、実は面白い
Challenge(チャレンジ)とは「挑戦」という意味です。1970年代、国産の時計メーカー各社は、機械式クロノグラフの技術開発でしのぎを削っていました。シチズンにとってこのモデルは、まさにその技術競争への「挑戦」だったと考えると、名前の由来にも納得がいきますよね。
1970年代らしい、大胆な造形
ツノクロノのデザインには、今の時計にはあまり見られない特徴がいくつもあります。
- 大きめのプッシュボタン
- 上寄りに配置されたリューズ(ゼンマイを巻くつまみ)
- 厚みのある、トノー(樽型)〜クッション型のケース
- 黒いタキメーターベゼル(速度計算目盛り)
- 文字盤の中に小さな文字盤(インダイヤル)が重なる、多層的なデザイン
- オレンジなどの差し色
この個性的な形は、いま見てもまったく古びていません。むしろ「こんな形の時計、見たことない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
Chapter 03
チャレンジタイマーが生まれた、1970年代という時代
このツノクロノが生まれた1970年代は、時計の世界にとって、とても特別な時代でした。少しだけ、歴史を振り返ってみましょう。
自動巻きクロノグラフの開発競争
1960年代の終わりから1970年代の初めにかけて、世界の時計メーカーは「自動巻きのクロノグラフ」の開発を競い合っていました。クロノグラフとは、ストップウォッチの機能がついた時計のこと。自動巻きとは、腕の動きだけでゼンマイが巻かれる仕組みのことです。
この2つを組み合わせるのは、当時としてはかなり高度な技術が必要でした。海外の有名ブランドだけでなく、国産メーカーもこの競争に加わっていたんです。
1973年、シチズンの答えがチャレンジタイマー
シチズン公式の歴代モデル紹介では、1973年に発売された「クロノグラフ チャレンジタイマー」を、シチズンとして初めての本格的なクロノグラフ機能付き腕時計として位置づけています。
30分計・12時間計といったクロノグラフ機能に加えて、曜日・日付の表示まで備えていました。当時のシチズンが、時計づくりの技術力を世に示すために本気で取り組んだモデルだったことがうかがえます。
クォーツショックの、その少し前
1970年代の後半になると、クォーツ式の時計が急速に広まり、機械式時計の時代は大きな転換期を迎えます。ツノクロノは、ちょうどその少し前、機械式クロノグラフの技術がひとつの頂点を迎えていた時期に生まれた時計、と言えそうです。
Chapter 04
心臓部「Cal.8110A」を深掘りしてみます
ここからは、この時計の心臓部「Cal.8110A」について、じっくりご紹介します。ここが、今回の記事でいちばんお伝えしたい部分です。
Cal.8110Aの基本スペック
- 自動巻き(手巻きにも対応)
- 28,800振動/時
- 23石
- クロノグラフ(30分計・12時間計)
- フライバック機能
- コラムホイール
- 垂直クラッチ
- 曜日・日付表示
ムーブメント本体は直径およそ27mm、厚さはおよそ6.72mm。この小さなスペースに、これだけの機能が詰め込まれているのは、正直かなり驚きです。
「28,800振動/時」って、何がすごいの?
時計にくわしくない方には少しわかりにくい数字ですよね。28,800振動/時というのは、1秒間に8回、針が細かく動くという意味です。
振動数が高いと、秒針の動きがより滑らかに見えます。高振動だから必ず高級、というわけではありませんが、1970年代の国産クロノグラフでこの仕様を採用していたことは、当時としてはかなり先進的だったと言えます。
「古い時計だから、中身も単純だろう」と思われがちですが、実はそうではありません。むしろ、当時の技術がぎゅっと詰まった一品なんです。
Chapter 05
普通のクロノグラフと何が違う?「フライバック」の仕組み
ここでは、この時計ならではの機能「フライバック」について、わかりやすくご説明します。
普通のクロノグラフの操作
一般的なクロノグラフでは、計測をやり直したいとき、次の手順が必要です。
- スタートボタンを押す(計測開始)
- ストップボタンを押す(計測停止)
- リセットボタンを押す(針を0に戻す)
- もう一度スタートボタンを押す(計測再開)
止めて、戻して、また始める。3つの操作が必要になります。
フライバックなら、ボタンひとつ
フライバック機能では、クロノグラフが動いている途中でリセットボタンを押すと、針が瞬時に0へ戻り、そのまま自動的に計測を再開します。ストップする手順を挟まずに、続けて計測をやり直せるんです。
たとえば、レースの周回タイムを続けて計りたいときなど、素早く連続して計測したい場面で威力を発揮する機能です。1970年代の国産時計に、このフライバック機能が搭載されていたというのは、なかなか面白いポイントだと思いませんか。
今回の個体はクロノグラフが正常に動作していませんが、逆に言えば、正常なときはこれだけ高度な操作ができる時計だった、ということでもあります。
Chapter 06
コラムホイール・垂直クラッチという本格機構
Cal.8110Aのすごさは、フライバックだけではありません。内部の構造にも、本格的な工夫が見られます。
コラムホイールとは
クロノグラフのスタート・ストップ・リセットといった動きを、正確に制御するための部品です。歯車のようなパーツが、時計の中で司令塔のような役割を果たしています。この方式は、機械式クロノグラフの中でも、伝統的で評価の高い構造として知られています。
垂直クラッチとは
クロノグラフの秒針を動かすとき、動力をつなぐための仕組みです。この方式を採用すると、クロノグラフをスタートさせた瞬間に針がピクッと飛ぶ現象を抑えやすくなるといわれています。
つまり、コラムホイール+垂直クラッチという組み合わせは、「見た目が古いだけの時計」ではなく、当時のシチズンがかなり本格的なクロノグラフ機構を、小型の自動巻きムーブメントにまとめていたことを示しています。
曜日・日付の変更方法も、少し独特です
Cal.8110Aは、曜日と日付の両方を表示できます。面白いのは、その設定方法です。リューズをひと段階引いた状態で、
- リューズを回すと → 日付が変わる
- クロノグラフのリセットボタンを押すと → 曜日が変わる
という仕組みになっています。クロノグラフのボタンが、曜日変更にも使われる。ちょっと意外で、面白い設計ですよね。
兄弟モデル「Cal.8100A」との違い
同じ世代のシチズンの自動巻きクロノグラフには、30分計のみを備えるCal.8100Aと、30分計に加えて12時間計まで備えるCal.8110Aがあります。今回のCal.8110Aは、2つの積算計を持つ、より多機能な側のムーブメントということになります。
Chapter 07
裏蓋のシリアルナンバーから見えること
せっかくなので、少し豆知識もご紹介しますね。今回の時計には、裏蓋にシリアルナンバーが刻まれていました。
シリアルナンバーで、製造時期の目安がわかります
ヴィンテージ・シチズンのシリアルナンバーには、いくつかの読み方が知られています。よく紹介されているのは、次のような考え方です。
- 最初の数字 → 製造年の下1桁
- 続く2桁 → 製造月
たとえば「0」から始まり、続く数字が「03」であれば、年の末尾が0の年の3月ごろという目安になります。Cal.8110Aが作られていた期間は、資料によって幅がありますが、おおむね1970年代前半から1980年前後までとされています。
ここで大切なのは、これはあくまで目安であって、断定はできないという点です。シリアルナンバーの規則だけで製造年をひとつに決めることは難しく、「1973年に登場したモデルですが、この個体はもう少し後年の製造と考えられます」というように、幅を持たせて考えるのが安全です。
「1970年代の時計です」と言い切らない理由
買取店のブログでは、つい「1970年代を代表する時計です!」と書きたくなるところですが、シリアルの目安からすると、今回のような個体は1970年代後半から1980年前後の製造である可能性もあります。
正確には、「1970年代初頭に登場し、その後しばらくの間展開された、チャレンジタイマー系のヴィンテージクロノグラフ」というくらいの表現が、誠実な伝え方かなと思います。
Chapter 08
現代でも「ツノクロノ」が復刻される理由
ここからは、少し視点を変えて、「なぜ今もこのデザインが復刻され続けているのか」というお話です。
シチズンは今も「TSUNO CHRONO」を展開しています
シチズンの現行ラインには「RECORD LABEL TSUNO CHRONO」というモデルがあります。1973年のチャレンジタイマーのデザインを受け継いだモデルだと、シチズン自身が説明しています。中には、シルバー文字盤にオレンジの差し色を使った仕様もあり、当時のデザインの雰囲気をよく残しています。
2024年には、グッドデザイン賞も受賞
2024年には「TSUNO CHRONO Custom」がグッドデザイン賞を受賞しました。50年以上前に生まれたデザインが、現在の視点であらためて評価されている、ということですね。
2026年には、50周年の記念モデルも登場しました
2026年9月10日には、シチズンのエコ・ドライブ技術50周年を記念した「TSUNO CHRONO」の限定モデルが発売されています。世界限定での展開とのことです。
1973年に生まれたデザインが、2024年、そして2026年と、形を変えながら今も商品として成立している。これは、単なる「昔のデザイン」ではなく、シチズンにとって大切なアーカイブ(過去の資産)として扱われていることの表れだと思います。
現行モデルとヴィンテージは、別のものです
ここは少し整理しておきたいところです。現行のTSUNO CHRONOは、現代のムーブメントを積んだ新品の時計です。一方、今回お買取りしたようなヴィンテージのCal.8110Aは、1970年代に実際に作られた、当時の機械式クロノグラフそのものです。
同じようなデザインでも、中身も、時代背景も、まったく違うものなんですね。
Chapter 09
海外でも知られる「Citizen Bullhead」
「シチズンの古い時計に、海外の人気なんてあるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここは丁寧にお伝えしたいところです。
海外では「Citizen Bullhead」として知られています
海外の時計マーケットやコレクター向けサイトでは、「Citizen Bullhead」「Citizen Challenge Timer」「Cal.8110A」といった名前で、ヴィンテージ個体が継続的に取り扱われています。単に日本の古い時計として紹介されているのではなく、独立したジャンルとして知られている、という点がポイントです。
2019年、映画での着用も話題に
2019年に公開された映画で、ハリウッドの俳優が演じる役柄が、ヴィンテージのCitizen Bullheadを着用していたことが知られています。海外の時計メディアでは、この映画をきっかけに、Bullheadというシリーズの知名度が高まったと紹介されています。
ここは少し注意が必要な部分です。映画で使われたのは、今回の個体とは異なる仕様のモデルです。「映画と同じ時計です」と紹介するのは正確ではないため、この記事では「知名度を高めたきっかけのひとつ」という形でご紹介しますね。
「万人向けの人気」ではなく「知る人ぞ知る人気」
ここは誤解のないようにお伝えしたいのですが、ツノクロノは、誰もが知っている超有名ブランドの時計とは、少し事情が違います。
時計好きの方、ヴィンテージ好きの方、国産クロノグラフに詳しい方など、専門性の高い層から、根強く支持されているというのが実情です。「海外で大人気だから、どんな個体でも価値が高い」というわけではありませんので、その点は正直にお伝えします。
シチズン自身のアーカイブとしても
さらに、シチズン自身が現在もツノクロノのデザインを大切なアーカイブとして扱い、繰り返し商品化していることも、このジャンルへの関心を後押ししていると考えられます。
Chapter 10
実はバラエティ豊か。ツノクロノの文字盤とケース
ここで少し寄り道して、ツノクロノの「バリエーションの豊富さ」についてもお話しさせてください。時計好きの方には、たまらない部分だと思います。
実は「ツノクロノ=この見た目」ではありません
Cal.8110Aを搭載したチャレンジタイマーは、1種類だけではありません。資料を見ていくと、複数のケース番号やモデル番号、そして文字盤のカラーバリエーションが確認できます。
- シルバー
- ゴールド
- グリーン
- ブルー
- ブラック
- 白黒のパンダ配色
ケースの形にも、トノー型だけでなく、オクタゴン(八角形)に近いタイプや、他の人気クロノグラフを思わせる意匠のタイプなど、いくつものバリエーションがあります。
だからこそ「見比べる楽しさ」があります
同じ「Cal.8110A搭載のツノクロノ」でも、文字盤の色やケースの形によって、かなり印象が変わります。もし機会があれば、いろいろな個体を見比べてみると、この時計の面白さがより伝わるかもしれません。
そして今回の個体は、シルバー系の文字盤とステンレスケースの組み合わせでした。ケース番号「4-901134K」については、資料によってゴールドケース・ゴールド文字盤の組み合わせで整理されている場合もあり、今回のシルバー文字盤との対応関係は、慎重に確認する必要がある部分です。ヴィンテージ時計では、文字盤や針が後年交換されている個体も珍しくないため、ケース番号だけで仕様を断定せず、文字盤・針・ケース・ムーブメントの組み合わせを総合的に見ることが大切です。
Chapter 11
同じツノクロノでも、なぜ評価に差が出るのか
ここが、今回の記事でとくにお伝えしたいポイントです。ひとくちに「ツノクロノ」「Cal.8110A」と言っても、個体によって評価はかなり異なります。
① ムーブメントが正常に動くか
自動巻き・手巻きの巻き上げ機構、クロノグラフ機構が正しく作動するかどうかは、大きな評価ポイントです。
② クロノグラフが正常に作動するか
この時計最大の特徴である、フライバック付きのクロノグラフ。スタート・ストップ・リセット・帰零(0に戻ること)が正しくできるかどうかを確認します。
③ 文字盤・針がオリジナルか
ヴィンテージ時計では、文字盤や針が社外品に交換されている個体が珍しくありません。チャレンジタイマーも例外ではなく、社外文字盤や社外針が流通していることが、専門の資料でも紹介されています。オリジナルパーツがどれだけ残っているかは、コレクターにとって重要な確認ポイントです。
④ ケース・ベゼルの状態
再研磨の程度や、ベゼルが純正のものかどうかも確認します。
⑤ ブレスレットが純正か
ヴィンテージ時計では、当時純正のブレスレットが残っているかどうかも、評価に関わる要素のひとつです。
⑥ 希少な仕様・文字盤カラーか
Cal.8110A搭載機には、シルバー、グリーン、ブルー、ブラック、ゴールド、パンダ配色(白黒の組み合わせ)など、いろいろなバリエーションがあります。仕様によって、注目度が変わることもあります。
⑦ 付属品があるか
箱、保証書、当時の資料などが残っていれば、それもあわせて確認します。
大切なお伝えしたいこと
ここまでご紹介したのは、あくまで一般的な評価の視点です。「このジャンルは人気だから高い」「壊れているから安い」と単純に言えるものではなく、状態・オリジナル度・仕様によって評価には幅があります。具体的な査定額は、実物を拝見したうえでご案内しています。
Chapter 12
今回のツノクロノは、どんな状態だったのか
さて、今回お買取りした個体に、あらためて目を向けてみましょう。正直な状態を、ひとつずつご説明します。
クロノグラフ不良
この時計の主役ともいえるクロノグラフ機能が、正常に作動しませんでした。スタート・ストップ・リセットのいずれかに不具合があると考えられます。
巻き上げ不良
自動巻き・手巻きの巻き上げがうまくいかない状態です。リューズや巻真(りゅうずとつながる軸のパーツ)、香箱(ゼンマイを収める部品)まわりなど、原因はいくつも考えられますが、外から見ただけでは特定できません。
内部異音
ローターのガタつきや、ネジの緩み、部品の摩耗など、いくつかの可能性が考えられます。ここは、実際に分解して確認しない限り、断定はできません。
文字盤の剥げ・カレンダーの劣化
文字盤の印刷や塗装の浮き、日付・曜日ディスクの変色などが見られます。長い年月を経た機械式時計ならではの経年変化ではありますが、査定の際には状態としてきちんと確認します。
針の社外補修跡
ここは少し意外に思われるかもしれません。一般的な感覚では、「針がきれいに交換されているなら、その方がいい」と思いますよね。ですが、ヴィンテージ時計の世界では少し違います。
オリジナルのパーツで構成されていること自体が、価値の一部になることがあるんです。ですから、針が社外品に交換されている、ということも、査定のうえでは大切な確認事項になります。
ブレスレットのコマ不足
腕回りの調整に使うコマ(パーツ)が少ない状態です。これは機械やケースそのものの価値とは別の要素として、あわせて確認します。
Chapter 13
なぜ、壊れたヴィンテージ時計でも査定できるのか
ここまで読んで、「そんなに悪い状態なら、査定してもらう意味があるのかな」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ここは、はっきりとお伝えしたいところです。
時計の価値は「動くかどうか」だけでは決まりません
たとえば今回の時計なら、
- Challenge Timer(チャレンジタイマー)という、シチズンを代表するクロノグラフ
- Cal.8110Aという、フライバック・コラムホイール・垂直クラッチを備えた本格機構
- ツノクロノという、今も復刻される独特のデザイン
という土台は、状態にかかわらず残っています。「壊れているから価値がない」と決めつけるのは、少しもったいないんです。
修理・整備・部品としての需要もあります
ヴィンテージのクロノグラフには、修理やレストア(分解整備をして本来の状態に近づけること)をして楽しむという文化もあります。ムーブメントやケース、文字盤など、パーツ単位で価値を見る視点も存在します。
つまり、「正常に動く完動品」だけが査定の対象ではなく、要修理の個体や、部品としての価値を持つ個体も、査定の対象になり得るということです。
いちふじでは、状態を含めて丁寧に確認します
止まっている、クロノグラフが使えない、古くて動かない、傷や劣化がある。そうした時計を前に、「これはもう査定にならないかも」と不安になる方は少なくありません。
でも、まずは実物を見せていただくことが一番です。状態も含めて、じっくり確認させていただきますね。
レストア(分解整備)という選択肢
ヴィンテージの機械式クロノグラフの世界には、時計師の手でひとつひとつ分解し、摩耗した部品を交換しながら、本来の状態に近づけていく「レストア」という文化があります。Cal.8110Aについても、クロノグラフまわりの部品や、リセット機構、香箱まわりの部品などを交換しながら、動く状態まで整備された実例が知られています。
つまり今回のような、クロノ不良・巻き上げ不良・内部異音といった状態であっても、整備を前提とした価値の見方ができるということです。これは、一般的な量産時計とは少し違う、ヴィンテージ機械式時計ならではの視点だと思います。
Chapter 14
ヴィンテージ時計の査定で、確認しているポイント
最後に、査定の際に確認しているポイントを、まとめてご紹介します。専門的に見えるかもしれませんが、要はこういうことです。
- ケース番号・シリアル:モデルや製造時期を確認する手がかりになります。
- 搭載ムーブメント:Cal.8110Aかどうか、正常に動くかどうか。
- 文字盤:印刷・塗装の状態、オリジナルかどうか。
- 針:夜光の状態、補修や交換の有無。
- クロノグラフ機構:スタート・ストップ・リセット・フライバックの動作。
- カレンダー機構:曜日・日付が正しく表示・変更されるか。
- 巻き上げ機構:自動巻き・手巻きが正しく機能するか。
- ブレスレット・バックル:純正かどうか、コマの残り数。
- 社外部品・補修跡:どの部分がオリジナルで、どの部分が交換されているか。
こうした点を、外側と内側の両方から、できる限り丁寧に確認したうえで査定しています。
Chapter 15
シチズン ツノクロノ、よくあるご質問
Q. 動かないツノクロノでも査定できますか?
A. はい、大丈夫です。動作しない状態でも、まずは実物を確認させてください。
Q. クロノグラフが壊れていても査定できますか?
A. 問題ありません。クロノグラフ機能に不具合があっても、時計そのものとして査定いたします。
Q. 文字盤や針を補修していても査定できますか?
A. はい、承ります。補修や交換の履歴も、査定のための大切な情報としてお伺いします。
Q. シチズンの古い時計で、型番が分からなくても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。型番やモデル名がわからなくても、実物を拝見すれば確認できます。お気軽にお持ちください。
Q. Cal.8110Aとは、どんなムーブメントですか?
A. 1970年代にシチズンが展開した自動巻きクロノグラフ用のムーブメントです。フライバック機能やコラムホイール、垂直クラッチなど、本格的なクロノグラフ機構を備えています。
Q. 復刻モデルとヴィンテージでは、何が違うのですか?
A. 現行の復刻モデルは、現代のムーブメントを積んだ新品の時計です。ヴィンテージは、1970年代に実際に作られた当時の機械式ムーブメントそのものという点が、大きく異なります。
Q. 古いシチズンの機械式時計は、どこを見て査定しますか?
A. ムーブメントの動作状態、文字盤や針のオリジナル度、ケースやブレスレットの状態、付属品の有無などを、総合的に確認しています。
Chapter 16
まとめ|壊れたヴィンテージ時計も、まずはご相談ください
長い記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。ポイントを3行でまとめますね。
要約(3行)
- シチズンのツノクロノは、フライバックやコラムホイールを備えた本格的なヴィンテージクロノグラフです。
- そのデザインは現行モデルとして今も復刻され、シチズン自身が大切なアーカイブとして扱っています。
- クロノグラフ不良や巻き上げ不良があっても、「価値がない」と決めつける必要はありません。
次にやること
- ご自宅にある古いシチズンの時計を、一度探してみる
- 動くか動かないかにかかわらず、状態をメモしておく(無理に開けたり分解したりしなくて大丈夫です)
- 箱や保証書、替えのベルトなど、付属品があれば一緒にまとめておく
- 気になったら、ピアゴ新城店へ(店頭でも出張でも、予約は不要です)
「これはもう古いだけの時計だから」と、しまい込んだままになっている時計はありませんか? そろそろ一度、見直してみるいい機会かもしれません。お気軽にお越しくださいね。
BOUTIQUE INFO
買取専門いちふじ ピアゴ新城店
参考にした情報
シチズン公式サイト(歴代モデル紹介、現行TSUNO CHRONOシリーズ、2024年グッドデザイン賞受賞、2026年エコ・ドライブ50周年記念モデルのニュースリリース)/Sweephand’s Vintage Citizen Watch Blog(Cal.8110A・チャレンジタイマー関連資料)/Fratello Watches(Challenge Timer “Tsuno”復刻に関する記事)/海外の時計マーケットプレイス・コレクター向け情報。内容は2026年9月時点で確認できた情報をもとにしています。モデルの仕様や製造年代、文字盤の組み合わせなどは、資料によって表記が異なる場合があります。
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ピアゴ新城店にお越しの際は、お買い物ついでに査定だけでもご利用ください。