オレンジの箱に隠された奇跡。 なぜエルメスのバッグは世界最高峰の 芸術品であり続けるのか?【新城市・北設楽郡・三ケ日のお買取りはいちふじピアゴ新城店へ】

こんにちは(^^)/
買取専門店✧いちふじピアゴ新城です!

エルメス アルザン31 トリヨンクレマンス ルージュカザックをお買取りさせていただきました!

オレンジの箱に隠された奇跡
なぜエルメスのバッグは世界最高峰の
芸術品であり続けるのか?

「いつかはエルメスを」——そう思い続けてきた皆さまへ。今日は売り込みなし、査定額の話もなし。ただ純粋に、エルメスというブランドの奥深さと、プロの査定士だからこそ見える「本当の価値」をじっくりお伝えしたいと思います。読み終わる頃には、オレンジの箱が持つ意味が、きっと違って見えるはずです。

【導入】あなたの目の前に現れた、あのオレンジ色

突然ですが、街中や百貨店でエルメスの鮮やかなオレンジ色の紙袋を持った人とすれ違ったとき、思わず目で追ってしまったことはありませんか?

あのオレンジは、不思議な力を持っています。派手なのに品がある。主張しているのにうるさくない。「あ、エルメスだ」とわかるのに、どこにも大きなロゴマークはない。一瞬で空気が変わるような、あの感覚。

私は毎日、さまざまなブランドのバッグを手に取る仕事をしています。ルイ・ヴィトン、シャネル、グッチ、プラダ……どれも素晴らしいブランドですが、正直に申し上げると、エルメスのバッグを手にした瞬間だけは、明らかに違う感覚があります。

重さの質感。縫い目の規則正しさ。ゆっくりと指を走らせたときの革の手触り。査定歴10年を超えても、この感覚だけは慣れることがありません。

このコラムでは、そんなエルメスの魅力を「歴史と逸話」「モデルと素材の知識」「資産価値のメカニズム」「査定士だからこそ伝えられるリアル」という4つの柱で、約10,000字にわたってじっくりお伝えしていきます。

「いつかはエルメスを」と思っている方にも、すでに一つ持っていてさらに深く知りたい方にも、きっと発見があるはずです。どうぞゆっくりおつきあいください。

【歴史】馬具商からはじまった、187年の物語

エルメスの歴史を語るとき、私がまず思い浮かべるのは「変わらないことで変わり続けた」というパラドックスです。

創業は1837年。フランス・パリで、ティエリー・エルメスが高級馬具工房を開いたことがすべての始まりです。当時のパリでは、馬車が主要な交通手段でした。貴族たちのために美しい鞍(くら)や手綱(たづな)を作るエルメスは、王室御用達の工房として高い評価を受けていました。

ティエリー・エルメスが作った馬具は、単なる道具ではありませんでした。最高品質の革を選び、一針一針手で縫い上げた鞍は、馬と騎手の命を預かる芸術品でした。その「生命を預かる誠実さ」が、187年後も変わらずエルメスのDNAとして受け継がれています。

しかし20世紀に入ると、時代は大きく変わります。自動車の普及により、馬車の需要が激減。多くの馬具職人が廃業していく中、エルメスは生き残るために「革を使ったあらゆるものを作る」という大胆な転換を図りました。

馬具を作る技術は、そのままバッグや財布、ベルト、そして衣類へと応用されていきます。これがエルメスという会社の、最初の「奇跡」と呼べる変容でした。

「サドルステッチ」という名の遺産

エルメスのバッグをルーペで覗いたことがある方はご存知かもしれませんが、縫い目が非常に独特です。これは「クチュール・セリエ(鞍縫い/サドルステッチ)」と呼ばれる技法で、文字通り鞍を縫うために生まれた技術です。

通常のミシン縫いは1本の糸がループ状になっていますが、サドルステッチは2本の針を使い、それぞれの針から出た糸を交差させながら縫い進めます。これがどういう意味かというと——

  • 仮に1箇所の糸が切れても、連鎖してほつれていかない
  • 縫い目が均等で、何十年経っても美しい形を保てる
  • 機械では再現できないため、職人の手仕事が必須
  • 一人の職人が最初から最後まで一つのバッグを縫い上げる「一貫生産」を可能にする
— 査定士のひとりごと —

30〜40年前に製造されたヴィンテージのバッグをお持ち込みいただくことがあります。外側の革は年月を経てエイジングしていますが、縫い目だけはほつれひとつなく、驚くほどしっかりしていることがほとんどです。サドルステッチの強さを、現場で何度も実感させていただいています。

【逸話①】オレンジボックスは「戦争の産物」だった

さて、このコラムのタイトルにもなっている「オレンジの箱の奇跡」についてお話しましょう。

エルメスといえば、あの鮮やかなオレンジ色の箱。「エルメスオレンジ」「タンジェリン」などとも呼ばれ、今やブランドの象徴として世界中で愛されています。百貨店のショーウィンドウに並んだあの箱の列は、それだけで美しいアート作品のようです。

でも実は——エルメスは最初からオレンジ色だったわけではありません。

知られざる真実

創業当初のエルメスの箱は、上品なクリーム色とベージュが主流でした。
あのオレンジ色が誕生したのは、1940年代。
背景にあったのは、第二次世界大戦でした。

戦時中、深刻な物資不足に見舞われたエルメス。これまで使用していたベージュの紙が完全に入手できなくなってしまいました。そこで包装紙の問屋に残っていたのが、当時は「派手すぎて誰も買わない」と敬遠されていた鮮やかなオレンジ色の紙だけだったのです。

エルメスは仕方なく、一時的な代替品としてそのオレンジ色を採用します。戦後、元のベージュに戻そうとしたところ、顧客から「あのオレンジ色がいい!」という声が続々と届きました。こうして誰も想定していなかった「アクシデントの産物」が、世界で最も価値のある包装カラーへと昇格したのです。

不遇の時代を、圧倒的なセンスでブランド最大のアイコンへと昇華させてしまう——これがエルメスの持つ、底知れないクリエイティビティです。逆境を逆境のまま終わらせず、「これがエルメスらしさだ」と言い切れる強さ。187年間、ブランドが揺るがない理由のひとつがここにあると思います。

【逸話②】ロゴに隠された「主なき馬車」の哲学

エルメスのロゴマーク、ちゃんとご覧になったことはありますか?

四輪馬車「デュック」と、その馬を扱う従者が描かれているのですが——よく見ると、肝心の「馬車に乗る主人(あるじ)」がいないことに気がつきます。

19世紀フランスの画家アルフレッド・ド・ドルーの絵画にインスピレーションを得たこのデザインには、エルメスの深い哲学が込められています。

「エルメスは最高品質の馬車(製品)を用意します。しかし、その手綱を握り、どこへ向かうかを決めるのは、お客様ご自身です。」

ブランドが主役になるのではなく、持つ人の人生に寄り添う。これが究極の職人としてのスタンスです。

バーキンにもケリーにも、大きなブランドロゴは外側にありません。知っている人だけが、サドルステッチと革の質感で「エルメスだ」とわかる。この「見せびらかさない本物」の美学は、現代の「クワイエット・ラグジュアリー(控えめな贅沢)」という価値観と完璧に共鳴しています。

時代がようやく、エルメスが187年前から貫いてきた哲学に追いついたとも言えるかもしれませんね。

【バーキン vs ケリー】二大アイコンを徹底比較

エルメスのバッグについて話すとき、最初に出てくるのはやはりこの二つ。「バーキンとケリー、どちらが自分に合っているんだろう?」と迷っている方も多いと思いますので、じっくり比較していきましょう。

バーキンの誕生秘話

バーキン誕生のきっかけは、1984年のある偶然からでした。歌手のジェーン・バーキンが飛行機に乗り込んだとき、隣席にいたのが当時のエルメス社長ジャン=ルイ・デュマ。ジェーンが持っていたボロボロの手帳から荷物をぶちまけてしまうアクシデントが起き、「使いやすいポケット付きのバッグがない」と話したことから、社長が機内袋の裏にスケッチを描いて約束したのがはじまりです。

その「何でも入れられる実用的なバッグ」というコンセプトは今も変わらず、バーキンの最大の魅力です。フラップを内側に折り込んでラフに使えるカジュアルさも、長年愛される理由のひとつ。

ケリーの誕生秘話

一方のケリーは、もともと「サック・ア・デペッシュ(書類鞄)」という名前で1930年代に誕生しました。転機は1956年。モナコ公妃となったグレース・ケリーが妊娠中のお腹をパパラッチの目から隠すように、このバッグを抱えて歩く写真がアメリカのライフ誌の表紙を飾ります。世界中で大反響を呼び、エルメスはモナコ王室の許可を得てバッグに「ケリー」の名前を授けました。

比較項目 バーキン ケリー
シルエット 台形のトート型。ポケットが豊富 台形の構造型。クリーンなライン
ハンドル 2本のハンドル(両手持ち) 1本のハンドル(片手持ち)+ショルダー可
開閉 フラップをラフに収納できる フラップをエレガントに閉じる構造
印象 実用的、カジュアルにも使える 気品ある、フォーマルな場にも映える
誕生のきっかけ ジェーン・バーキンとの偶然の出会い(1984年) グレース・ケリーのライフ誌掲載(1956年)
こんな方に アクティブで荷物が多め、オフにも使いたい 上品に、美しく持ちたい。場を選ばず使いたい
— 査定士のひとりごと —

二次流通市場全体で見ると、バーキンの方がわずかに流動性が高い傾向があります。近年は「バーキン25」「ミニケリー(ケリー20)」など、小型サイズへの需要が非常に旺盛です。ただし相場は日々変動しますので、具体的な価値についてはぜひ店頭でご相談ください。

【隠れた名作】アルザン31という「現代の答え」

バーキンとケリーばかりが話題になりがちですが、エルメスにはもうひとつ、私が心からお薦めしたい「知る人ぞ知る名作」があります。それがアルザン(Halzan)です。

名前の意味から、すでに美しい

アルザンはフランス語で「栗毛の馬」を意味します。そしてあの特徴的な持ち手の形状——美しいカーブを描くハンドルは、乗馬の際に足をかける「鐙(あぶみ)」からインスピレーションを得ています。

馬具工房として創業したエルメスのDNAが、2014年に誕生したこの比較的新しいモデルの中にも、しっかりと息づいているのです。

5つの使い方ができる「変幻自在」のバッグ

アルザン最大の魅力は、その驚くべき多機能性です。

  • ハンドバッグとして持つ
  • クラッチバッグとして折りたたんで持つ
  • ショートショルダーとして肩にかける
  • ロングショルダーとして長さを調整して使う
  • クロスボディ(斜めがけ)として両手をフリーにする

一つのバッグが5通りの表情を持つ——これは、仕事もプライベートも充実した現代の女性のライフスタイルに、これ以上ないほどフィットします。朝はクロスボディで通勤し、昼はハンドバッグとして会議に持ち込み、夜はクラッチとしてディナーへ。一日中、一つのバッグが寄り添ってくれます。

「バーキンやケリーは知っているけれど、アルザンは初めて聞いた」という方にこそ、ぜひ手に取っていただきたいバッグです。馬具職人の伝統と、現代女性の多忙な日常への深い敬意——その両方が一つのバッグに込められています。

— 査定士のひとりごと —

アルザン31(トリヨンクレマンス素材のルージュカザック)をお預かりしたことがあります。実際に手にして感じたのは、素材のしなやかさとカラーの圧倒的な存在感でした。折りたたんでクラッチにする際のナチュラルな革の動きは、まさにこの素材だからこそ生まれる美しさです。

【素材の世界】トゴとトリヨンクレマンスの違い

エルメスのバッグを選ぶとき、モデルと並んで重要なのが「素材(レザー)」の選択です。同じバーキンでも、素材が違えばまったく異なる表情を持ちます。

ここでは特によく質問をいただく「トゴ」と「トリヨンクレマンス」の違いを中心に、エルメスを代表するレザーをご紹介します。

素材名 質感・特徴 向いているモデル こんな方に
トゴ(Togo) 雄仔牛の革。適度な柔らかさで傷つきにくく、型崩れしにくい。シボ(表面の凹凸)が中程度 バーキンの定番素材 日常的によく使いたい方。実用性重視の方
トリヨンクレマンス 雄仔牛の革。トゴよりシボが大きく、くったりとした柔らかい質感。折り曲げやすい アルザン、リンディなど形状変化するバッグ しなやかさと素材感を楽しみたい方
エプソン(Epsom) 雄仔牛の革に型押しを施した素材。かっちりした形状を保ちやすく、軽量 ケリー、コンスタンス 美しいシルエットを長く保ちたい方
スイフト(Swift) 仔牛の革。つるりとしたスムースな表面。発色が美しく、鮮やかなカラーに映える ケリー、ピコタン カラーの美しさを最大限に楽しみたい方

トゴ vs トリヨンクレマンス——迷ったときのポイント

この2つは似ているようで、実は使い心地がかなり異なります。簡単に言うと——

  • トゴは「しっかりとした革」の感触。バーキンの形をきれいに保ちやすく、日常使いでの耐久性も抜群
  • トリヨンクレマンスは「育てる革」という感覚。くったりとしていて、使い込むほどに体に馴染んでいく柔らかさが魅力

アルザンのように折りたたんでクラッチにしたり、ストラップの長さを変えて使い方を変えるバッグには、柔軟に形を変えられるトリヨンクレマンスが絶妙にフィットします。「素材とデザインが一体となって機能美を生んでいる」——これがエルメスの設計の精巧さです。

【カラーの世界】ルージュカザックが語る馬の美学

エルメスのカラー名には、一つひとつにストーリーがあります。その中でも特に私が心惹かれるのが「ルージュカザック(Rouge Casaque)」です。

「カザック」という名前の意味

フランス語で「カザック(Casaque)」とは、競馬の騎手が着用する鮮やかなシルクのジャケット「勝負服」のことです。競馬において勝負服の赤は、情熱と勝利の象徴。馬具工房として創業したエルメスが、競馬文化に深いリスペクトを持つのは自然なことです。

ルージュカザックは、その名の通り「勝負に挑む情熱の赤」。他の赤系カラー(ルージュ・アンフェルやトマト、ブランド・ポワブルなど)と比較しても、飛び抜けて鮮烈で、息を呑むほど鮮やかです。

エルメスの定番カラーと選び方

  • ノワール(Noir)——黒。どんなコーディネートにも合う永遠の定番
  • エトゥープ(Etoupe)——暖かみのあるグレージュ。日本人の肌色にも馴染みやすい
  • ゴールド(Gold)——品のある茶色。エルメスらしい温かみのある王道カラー
  • ルージュカザック(Rouge Casaque)——鮮烈な赤。差し色として圧倒的な存在感

モノトーンのコーディネート(白シャツ×黒パンツ、グレーのセットアップなど)に、ルージュカザックのアルザンを合わせる。これは単に「派手なバッグを持つ」のではなく、「自分のパッションと個性をバッグに託して語らせる」という、最高に知的なファッションの楽しみ方です。バッグが会話を始めるのです。

— 査定士のひとりごと —

ルージュカザックのような鮮やかな原色系のバッグは、四隅のわずかな「角擦れ」でも白っぽく目立ちやすい傾向があります。逆に言えば、こうした鮮やかなカラーで角擦れが一切ない美品に出会えた瞬間は、前のオーナーの方がいかに大切に使われていたかが伝わってきて、私たちも胸が熱くなります。

【資産価値】なぜ中古なのに定価以上になるのか?

ここからは少し実用的な話をさせてください。「エルメスは資産になる」とよく聞きますが、それはなぜなのか? 仕組みをきちんと理解すると、エルメスとのつきあい方が変わります。

需要と供給の圧倒的なアンバランス

エルメスが他のラグジュアリーブランドと一線を画す最大の理由は、「需要があるからといって、絶対に大量生産に走らない」という頑固なまでの姿勢にあります。

バーキンやケリーは、一人の職人が一つのバッグを作り上げます。世界に存在するエルメスの職人の数は限られており、一つのバッグが完成するまでには長い時間がかかります。いくら世界中から注文が殺到しても、物理的に作れる数には限りがあるのです。

これは、有名シェフが一日に作れる料理の数と同じです。腕を増やして「大量生産」はできませんし、エルメスはそれをする気もない。この「物理的な限界」こそが、希少性を生み出す根本的な理由です。

正規店での購入ハードルという現実

エルメスの正規ブティックでバーキンやケリーを購入するには、単に「買いたい」という気持ちだけでは足りません。一般的には以下のような実態があります。

  • 何度も来店し、スカーフや小物などを継続的に購入するという実績が必要とされることが多い
  • 欲しいモデル・素材・カラーが在庫にあるとは限らず、長期間待つ場合もある
  • いわゆる「エルメスパトロール(毎日のように店に通う)」が必要という声も

二次流通市場のプレミア価格は、ある意味でこの「時間と労力をショートカットするためのコスト」とも言えます。すぐに手に入れたい、欲しいモデルが欲しい今に欲しい——その需要が、中古市場のプレミアを支えているのです。

定価改定(値上げ)が中古相場を押し上げる

近年、エルメスは毎年のように定価を改定(値上げ)しています。これが中古市場に与える影響は大きく、定価が上がるほど、過去に購入したバッグの市場価値も連動して上がっていくという傾向があります。

「使っても価値が下がりにくい」「むしろ時間が経つほど価値が上がることもある」——この特性から、エルメスのバッグはインフレに強い「現物資産」として機能しているとも言われます。

ただし、私たちは単に金銭的価値だけでエルメスを評価しているわけではありません。そのバッグが辿ってきた歴史、前のオーナーとの物語、職人が一針一針込めた誠実さ——すべてを含めて「価値」だと思っています。

「クワイエット・ラグジュアリー」という時代の追い風

近年のファッション界のキーワードとして「クワイエット・ラグジュアリー(Quiet Luxury)」があります。大きなロゴや派手な装飾で主張するのではなく、上質な素材と完璧な仕立てだけで静かに、しかし圧倒的な存在感を放つスタイルのことです。

エルメスはこの概念を、創業当初から実践してきたブランドです。時代が変わり、人々の価値観が「本物」を求め始めた今、エルメスの美学は誰よりも早く「正解」を持っていたことになります。

【査定士の目】プロはここを見ています

「将来手放すつもりはない」という方にも、ぜひ読んでいただきたいセクションです。なぜなら、バッグを高い価値で保ち続けるために必要な知識が詰まっているからです。

「刻印(ブラインドスタンプ)」で製造年を読み解く

エルメスのバッグには、製造年を示す「刻印(ブラインドスタンプ)」が押されています。バーキンやケリーの場合、ハンドルの付け根付近、フラップの内側など、目立たない場所にアルファベットと記号で刻まれています。

この刻印で製造年が特定できるため、査定の際に非常に重要な情報となります。ヴィンテージ品として価値が高まることもあれば、素材の特性や当時の製法の特徴を確認するためにも参照します。

付属品の「完備」が査定に与える影響

「付属品はなくてもいいかな」と思っている方がいれば、ぜひ考え直してください。エルメスのバッグには多くの付属品が存在し、それぞれが査定に大きな影響を与えます。

  • 箱(ボックス)と保存袋——保管状態の良さを示す重要な証拠
  • カデナ(南京錠)——小さくても存在感は大きい
  • 鍵2本——片方だけでも査定に影響が出ることがある
  • クロシェット(鍵を収納する革のチャーム)——本体と同じ革で作られており、欠品すると再入手が困難
  • レインカバー——あると査定額がプラスになることが多い
  • 購入証明書(レシート等)——正規品の証明として価値がある
— 査定士のひとりごと —

特にクロシェット(鍵を入れる小さな革のチャーム)の欠品は、本体と同じ革で作られているため再入手が非常に困難で、査定に数万円〜十数万円の差が出ることがあります。売るつもりが全くなくても、付属品は絶対に捨てずに保管していただくことをお願いしています。1%の可能性のために、大切に保管しておく価値は十分あります。

プロが特に注目する「コンディションの4ポイント」

  • 四隅の角擦れ——最も目立ちやすく、カラーによっては特に目立つ。白っぽくなっていないか確認
  • ハンドルの黒ずみやベタつき——手脂が蓄積しやすいポイント。定期的な拭き取りが重要
  • 金具(ゴールド・パラジウム)の傷や変色——コンスタンスの大きなH金具など、金具が傷つくと印象がガラリと変わる
  • 内側の汚れやカビ——保管状態を直接反映する。クローゼットにしまいっぱなしは危険

アルザンのような「5wayで使えるバッグ」の場合は、さらにストラップの付け替えで生じる金具接合部の擦れや、折りたたんで使用した際の革の折り目部分の状態も細かく確認します。そのバッグがどんな日々を過ごしてきたか——査定とはある意味で、バッグの歴史を読み解く作業でもあります。

【保管術】一生モノにするための正しい扱い方

せっかくのエルメスのバッグ、長く美しく使うためには正しい保管が不可欠です。特に日本の高温多湿な気候は、革製品にとって決して優しい環境ではありません。

やってはいけない「あるある」保管ミス

  • クローゼットに入れっぱなし——通気が悪く、カビが生える最大の原因
  • 中身を入れたまま放置——重さで型崩れする。保管時は中身を出して
  • ビニール袋に入れる——革が呼吸できずカビや変色の原因に
  • 直射日光の当たる場所に置く——色褪せと革の劣化を招く
  • 洗剤や除菌スプレーで拭く——革専用でないケア用品は厳禁

正しい保管の3ステップ

  • Step 1:形を整える——中に詰め物(インクのつかない紙や専用のバッグピロー)を入れて型崩れを防ぐ
  • Step 2:エルメスの保存袋に入れる——布製の保存袋(付属のもの)に入れ、湿気を適度に逃がす
  • Step 3:風通しの良い場所で保管——押し入れの奥より、通気のある棚や収納スペースが理想
— 査定士のひとりごと —

毎日、保管状態の善し悪しで運命が分かれたバッグたちをお預かりしています。同じ年代の同じモデルでも、保管が丁寧だったものとそうでないものでは、コンディションに雲泥の差があります。バッグへの愛情と、資産価値を守ることは、全く同じことです。

季節ごとのワンポイントケア

  • 梅雨〜夏——湿気が大敵。保管スペースに除湿剤を置く(バッグに直接触れさせない)
  • 秋〜冬——乾燥に注意。革が乾いてきたと感じたら、革専用のクリームでケアを
  • 使用後——柔らかいコットンや専用クロスで乾拭きしてから保管するだけで、状態が大きく変わります

まとめ——3行で振り返る「エルメスという奇跡」

長いコラムを最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。最後に3行でポイントを振り返りましょう。

  • エルメスは「逆境を美に変える力」と「職人の誠実な手仕事」によって、187年間最高峰であり続けているブランドです
  • バーキン・ケリー・アルザンなどのモデルは、それぞれ異なる「生き方の美学」を持ち、持つ人の個性を静かに引き立てます
  • 素材・カラー・コンディション・付属品の4つを理解することで、エルメスをより賢く、より長く楽しむことができます
— 次にやること —

  • 自分に合うモデルを考えてみる(バーキン・ケリー・アルザン、どの「生き方」に共感しましたか?)
  • 手持ちのエルメスがある方は、付属品が揃っているか確認してみる
  • 保管環境を見直す(中に詰め物をして、布袋に入れ、通気のある場所へ)
  • 気になることがあれば、お気軽に店頭へ。予約なし・ピアゴ内なので、お買い物のついでにどうぞ
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「エルメスの価値を正直に、誠実に評価してほしい」——そのお気持ちに、精一杯お応えします。

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